こんにちは。フロリン・ポペスクです。

ルーマニアで生まれ育ちましたが、最近の10年あまりは日本に済んでいます。

名前に漢字を当てることもあります。名字は半濁音が入っており、当てようがないが、名前の「フロリン」を気分によって「巫狼凛」、「浮浪淋」などと変えています。

2003年の3月に京都大学で博士課程を終え、同年7月に文学博士の学位を取得しました。専門は国語学です。もっとも、学位記には書いてないのです。なぜかというと、博士学位は、文系のどの分野でも同じものとみなされているからです。

私の博士論文は1600年ごろイエズス会の宣教師がキリスト教について書いた本をめぐって論じています。現在は、Compedium Catholicae Veritatis(カトリックの真実の概要)というラテン語版と、一般的に「講義要綱」と呼ばれている日本語版があります。それぞれは、一部しか現存していません。

ラテン語版はヴァチカンに、日本語版は
オックスフォード大学に置いてあります。両方とも写本ですが、どうも原本ではなく、主に日本人の手によって書かれたもののようです。

日本語版は表裏の表紙と共に、最初の約100ページと最後の20ページが欠いており、日本語の本当の署名は第二部の初めの本文にしか出てきません。「真実の教」と呼ばれていたようです。1590百年に日本のイエズス会士はヨーロッパから印刷機を持ってきていましたが、この本よりも、優先されたほかの本があり、やっと順番が回りそうになった頃には迫害が激しくなって、ついに印刷されずに残ってしまったようです。

それでも、イエズス会の日本における教育施設がキリシタン迫害のため
マカオに移動される1620年代ごろまで「講義要綱」は写本として修練院などで長い間用いられたようです。
とにかく、両本が印刷されなかったためか、数年前までほとんど
知られておらず、私の博士論文の作成に当たっては、先行研究などをあまり気にせずにこれらの本の格好や内容について論文を気楽に書くことができました。

残念なことに、私が博士論文を書いてから数年の間は、これらの本はマイナーな文献であり続けており、なかなか人気が出なくて、困りました。現在は、いろいろと他の論文が出ていますが、ルーマニアではこのような研究を続けることができなくて、当分無視しています。

博士を取ってからしばらくの間教職を求めて就職活動をしていましたが、さすがに外国人が日本で日本語について教えるような職場となると、見つかりませんでした。

結局、2年間ほどほそぼそと就職活動をしながら非常勤講師やフリーランサー翻訳や家庭教師をしていましたが、そのままでは日本にいる在留資格が取れなくなりそうになり、大きく転換することに決めました。

しばらくの間、第一の大学であった電子工学まで学んでいた技術に戻って、2年の間島県呉市の南端に近いところで社員となりました。ただ、ここにとどまることもなく、2007年四月はじめごろにルーマニアに帰ることになりました。

特に合気道と音楽とバイクに興味を持っています。